死役所 ~死と向き合える良質ドラマ~
以前から漫画の存在は知っていましたが、それが松岡昌宏さん主演でドラマ化されたものをやっとAmazon primeで観賞することができました。
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亡くなった方が成仏する前にある種の行政手続きを行う死役所、そこが舞台です。
生まれたら必ず死ぬ。当たり前の事実ですがそこに至るまでの生き様や死に様は本当に千差万別。全ての人間に長短や濃淡はあれどストーリーがあるなと改めて実感させてくれる、そんなドラマです。
綺麗事だけでは語れない人間臭い人生の最期を死役所で振り返る人たち、決して平行して過ぎて行く現世の状況を知ることは出来ません。切ない、、
色々な死にかたをした人々を迎える死役所の職員は死刑で亡くなった人々。誰かを殺めたから死刑になっているとはいえ、職員のそれぞれにも一筋縄では行かない背景があり、一つ一つ丁寧に描かれます。
一番好きなストーリーは死役所職員のイシ間さんのお話です。
大事な人を傷つけた者たちを殺め、死刑となった、、文字にすればそれだけですが、そこにある想いや痛みややるせなさは同情を禁じ得ません。
死役所で最後に再開した大事な人。イシ間さんがいなくなってからも懸命に生きて、家族に暖かく見守られながら亡くなった事実を知ったときのイシ間さんの「頑張って生きたんだな。辛いことも沢山あったのに」ここで涙が溢れてきました。
成仏する時、亡くなった方が進む道、その道に続く扉が開くとその先は何も見えない光の世界が広がります。それがとても美しくまた物寂しい。
最近亡くなった足の悪い祖母はどういう風にその扉の先を進んでいったのかな、誰かが車いすを押してくれてたらいいけど・・なんて考えてしまいました。
少し(まぁまぁ)グロテスクな場面もありますが、子供さんでも見れば色々感じる。大人ならなおさら、そんな素敵なドラマでした☺️
原作:あずみきし「死役所」(新潮社バンチコミックス刊)
TVドラマ:TV東京 2019年10月16日~放送
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